#nonatabigram デンマークの草木染めワークショップ G-ULD にて Vol.2

#nonatabigram デンマークの草木染めワークショップ G-ULD にて Vol.2

デンマークの草木染め毛糸をつくるG-ULDで開催されるインターナショナルクラスの草木染めワークショップに参加したときの話、最終回です。

Vol.1はこちらから。

 G-ULDを始めた二人の背景がとても面白い。なんと一人は中世考古学者のルイーズ、もう一人はグラフィックデザイナーのアン。二人が出会ったのはViking博物館。草木染めをデンマークの昔ながらの方法と素材で染めるということに興味があったようです。アンは赤ちゃんがいるので今回のワークショップの下準備係で、ルイーズがワークショップの責任者でした。

明るく朗らかなルイーズから口にする言葉は草木染めをするものにとってスッと心に入ってくるものばかりで、どんどんG-ULDが大好きになりました。

 二日目は楽しみにしていた実際にフィールドに出て草花の採取!がありました。これをとってもやりたかったのです。ヨーロッパの草花に出会いたかったのです!

みんなでバケツとハサミと帽子持ってお出かけ。ルイーズ先生のお話を聞きながら、採取目標の数種類を見つけて行きます。最初は見分けがつかなくて難しかったんだけど、一度スポットを見つけるとみんなでワイワイやりながら採取に没頭!目がどんどん慣れていって見えてくる見えてくる。

ヨモギ。デンマークにもあるんですね。香りがなかったので日本のとはまた違うのかなとおもいます。見た目は馴染みがあって探しやすかった!染めた時の色は馴染みがあるヨモギと同じで単体で黄色の中に緑の色がありましたね。

セントジョンズワート。初めて野生の?ものを見たので最初は分かりづらく探せなかったけど見つけたらあちらこちらに生えていて感動しました。沈んだ心を照らす太陽のようなハーブと言われていて、神経系に作用し、優れた抗うつ作用があると言われていますね。 夏至の日に収穫すると作用が高いと言われているようですが、ちょうどその頃、お花も満開なんだと分かりました。

私が一番気に入った色だったCurly dock。これは葉っぱをもらいます。ネジネジしてあるのですぐにわかるようになりました。帰国して調べると「ながばぎしぎし」で日本にも入ってきているようです。煮出すとお浸しの匂いがして美味しそうで、温かみのある黄色に染まりました。

このフレッシュな草花で主に「黄色」を取り出しました。

草木染めをしていると黄色はとても身近です。本当に色々な黄色があってその時々、作品ごとに使い分けできると思うと幸せです。草木染めの色の世界に一度でも住んでしまうともう抜けられません・・・(笑)

 

印象的なことがありました。

参加者のどなたかがエルダーフラワーをみて言いました。「ルイーズ、これで染める?」と。ルイーズが「う〜ん、それは、飲む!」笑いが起こったんだけど、もう私はしみじみ常日頃から考えていることなので納得しました。やっぱりそうだよね!!って。

私も食べるものはまず食べて欲しいのです。なので例えばですが、アボカドを染めの為に買うということはNONAではしていません。食べた後、ゴミになる、お庭で剪定した後、ゴミになる。庭で葉っぱが落ちてゴミになる。雑草で増えて困っている。そういったものを優先で染めるようにしています。

ルイーズもエルダーフラワーは、シロップとして有名な有益植物でわざわざ染めないのだと。今回採取したものも増えてモリモリと生えているものでした。

もし、草木染めを試してみたいと思われる方がいらっしゃったら、おすすめは、わざわざ時間をかけて染色植物を取りに行くというより、一番身近な植物で始めると(例えば、お庭の草花)もっと自分の周りが愛せるようになります。というか、逆に、その為に草木染めが存在すると思っています。それが堅牢度が低いものであっても、自分のものだから、また染め直したらいいんです。それぐらい自然に暮らしの中に、草木染めは寄り添って存在できるものだと思います。

デンマークでも同じように暮らしのすぐ近くの植物があり、G-ULDでもむやみやたらに染めるのではなく、伝統的に染めに使われていたもので染めるだけ採取しました。とても共感できるものでした。

巨大なエルダーフラワー!綺麗な花がちょうど満開でした。

 

27世帯しかないという村のような街を見渡す丘があり、そこがゴールで採取は終わりました。あの時間は、今でも楽しかったな〜と思い出します。デンマークでは珍しく酷暑でとっても暑くて案外、重労働でしたが参加者の皆さんと草刈り思い出に残りました。

 

G-ULDのスタッフが作ってくれるご飯本当に美味しかったですよ〜。野菜がたっぷりでサラダにイチゴとかブルーベリーが入っているおしゃれな感じが北欧〜(勝手に)。おかげで体調を崩すことなく過ごせました!ダイニングルームも光いっぱいのサンルームで庭からのお花がさりげなくどのテーブルにも飾ってあり、日中の明るい場所でも必ずキャンドルが灯してあるところ、とても印象に残っています。

食後の「Hyugge」タイムもあって、編み物する人は編み物、何もしない人も本を読んだり、猫と遊んだり。私は手まりしてました〜。G-ULDのスタッフが織りを始めたっていうのでその情報交換したり、色々な背景の人たちがいてお互い興味深い時間でした。

素敵なSHOPで草木染めの色に浸かり、幸せでした〜。サンプルがあったのでみんなで試着して、みんなに見てもらって私はキットを買ってみました。色は迷った〜〜〜。

 

夜や空いた時間の「お仕事」があって、最終日なんかもう大変(笑)。みんなで巻き巻きしてカラーサークルを作ります。

この糸まみれの世界、まるでNONA!糸屋の日常でとっても親近感。

ようやく完成した時は圧巻でした。

72色と生成。合計73色の草木染めの美しい世界。

 

そうそう、毛糸の手まりを知ったのもここのG-ULDのものだったのです。

アンが最終日手まりを持ってきてくれて、日本から持って行っていた手まりと並べました。細めの毛糸で作ると表面がスムーズになってとても可愛かったし、G-ULDの色の手まり最高に好きでした。

二人の開催する草木染めワークショップに参加できて人気なのがよく分かりました。清々しい6月のデンマークの自然の中に身体を置いて、私も草木染めだけに集中できた4日間は人生のおいては貴重な時間でありがたく、NONAのスタッフにも体感を伝えていきたいものでありました。G-ULDの二人もそしてスタッフも猫もみんなリラックスしていて、参加者もリラックスしていてものづくりの原点のような時間でした。ありがとうございました!

 

さて、みなさま、デンマークお土産です!

この二人が丹生込めて作った草木染めの自社出版本 『THE COLOURS OF NATURE』があります。英語版があり、それを今回NONAで日本で初めて取り扱いさせていただくことになりました。

やっぱりアンのデザインはかっこよくて、シンプルに仕上がっていて、草木染めのレシピたっぷりです。

デンマークの最後の草木染め屋さんのお店の暖簾のような旗が黒だったとのことでどうしても表紙を黒にしたかったとのことでした。

黒は草木染めのものからすると憧れの色なんです。簡単にはできない色です。

そういった世界共通の草木染めのロマンが込められている本、どうぞこの機会にお手元に置いてもらえると嬉しいです。英語ですのでgoogle翻訳でも読めると思います。発売は9月15日金曜日、夜20時から。販売サイトはこちら

よろしくお願いします。

 ルイーズとアン

 

 

G-ULD

アンとルイーズの2人が始めたデンマークの伝統的な草木染めを伝え残す毛糸メーカー。年に2回インターナショナル草木染めクラスを開催している。

https://www.g-uld.dk/ 

 

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