2019.02.06
中央線西荻窪駅近、1分の店舗を構える草木染めと手まりのお店、テマリシャスです。
家庭画報に連載中の「祈りの宿る手毬暦」の3月号が発売中です。
みなさま、今回の作品はいかがでしたでしょうか。
いろんな方から手まりってこんな風に出来ているのかわかった、糸の動きが追えた、幾何学模様ではないのもあるんだねと様々な感想をいただきました。
よ〜く見てもらえると三角の中に小花は刺繍されており、蝶は三角とひし形の中に刺繍しています。全ての針の動きは手まりの刺繍の仕方でしているので全くストレスがありませんでした!
うつゝなき つまみごゝろの 胡蝶哉
与謝蕪村
つまんだ蝶が「うつつ」現実ではないように不確かで夢のようだとの山西先生の解説を読みました。とってもインテリで哲学的な表現の蕪村。
「蝶」は「天に昇る生き物」として愛されてきた、「長」と発音が同じことから不老長寿のシンボルとされた。吉祥文様ですね。
今回のお題の「蝶」を表現するにあたり、うつゝなき世界の蝶を花畑一面に飛ぶ姿がパッと頭に浮かんで
その蝶たちをまず一番に刺繍をしていきました。
先々を全く考えず、菱が見えたらそこに蝶を刺し、その隣に三角が見えたら、そこにも蝶を刺す。
手まりを作る人からすると今回の手まりは少々自由すぎたかもしれません。
そのあと、蝶が花から花へと飛ぶ舞台、春の花畑を刺繍していきました。
たんぽぽ、すみれ、水仙と日本の春の花、そして、イギリスで過ごしていた時に好きだったブルーベルという春になると森一面に咲く青い花と記憶の中の花々を自由に楽しく、次々と刺繍していきました。
春にはまだ遠いと思う寒さの日々ですが、もう立春も過ぎました。
暦上だけでなく、実際に春の息吹を感じることができる日まであと少し。
春の草花、花々は色が様々で華やかさを自然の中で競うように咲き誇ります。違いが豊かさを産みだし、その美に圧倒される。
そんな中、蝶は優雅に飛び、みつを吸う。
みなさま、ご自愛くださいね。
また来月号の「祈りの宿る手毬暦」をお楽しみ!
家庭画報3月号発売中!