2018.12.02
いつも応援してくれている皆さま、ありがとうございます。
家庭画報に2019年一年間、連載が決まり、楽しくチャレンジさせていただくことになりました。
手毬を理解していただいて、素敵なタイトル「祈りの宿る手毬暦」をつけていただきました。
手まり作りは「祈り」です。
元々が母親が子に玩具として作った子への祈り、手まりをオーダーいただく時は必ず誰かへの祈りを込めていただくことが殆どです。丸々成長しますように、無事物事が丸く収まりますように。
作り手の優しい想いに溢れた手まりは、どこか心をホッとさせる存在になります。
さて、毎月、俳人、山西雅子先生が選んでくださるテーマ毎の俳句に合わせて手まりを作ります。
今回は元旦草と呼ばれる福寿草。
愛らしい福寿草を何度も眺めて花弁の広がりや色の重なりを菊かがりで表現しました。
最初は大きめの福寿草を作り、やはり群生して咲く様子を表現したくて手前の手まりを追加しました。
元旦らしく、華やかに土台まりの色はインド茜。テマリシャスで一番濃い赤です。エネルギーを与えてくれる気がするんです。茜で始まる2019年!
福寿草の黄色は福に重ねて福木を採用しました。沖縄では防風林で有名な福木の葉で染めています。福木にしか出せない力強い鮮やかな黄色があります。
日の障子
太鼓の如し
福寿草
松本たかし
俳句の世界とは、まるで絵画や映画の世界の構図のよう。
冬の日が当たる障子
太鼓のような障子の和紙
福寿草
と視点が移ります。
年末に実家では障子の張り替えをします。障子の張り替えが大好きなんじゃないか?と思う父と一緒に良くしたもんです。ごはんで糊を作り、和紙を貼り、ぴーんと張るにはコツがあり、水を掛けながら作業を家族でしました。
私にはそんな家族での冬の暖かな場面が思い出されます。
福寿草というそんなに一見は華美ではない草が元旦草と愛される日本に生まれて嬉しい。
これから師走で忙しくなり、寒さ増す季節ですが、皆さまが暖かく新しい年、2019年をお迎え出来ることをお祈りしています。
また来月2月号をお楽しみに!