梨佳が書き溜めたTEMARICIOUS過去Blog Archiveです。
2019.07.09
梅雨真っ盛りの東京ですが、早くも家庭画報では8月号が7月1日に発売されております。みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
8月の「祈りの宿る手毬暦」のテーマは「麻の葉」。
手まりを作る人は、ほとんどの方は「麻の葉」文様が好きなのでないだろうかと思えるほど、作って良し、出来て良しの伝統文様です。テマリシャスの手まり教室でも基礎6回ほどが終わると登場して、みんなが大好きになるパターンです。
最近では麻の葉のタイルを店舗や街中の内装に使用されているのも見かけ、日本伝統文様といえば「麻の葉」というモチーフが世界中で愛されていて、日本的な深さを感じ取る幾何学模様の代表選手と思います。私が好きな麻の葉タイルは名古屋モザイク工業株式会社さんが作られているようです。
今回の俳句は
麻の葉の きりこみふかく 涼徹す
大野 林火
信州の麻畑の風景とのことで、麻畑をまだ写真でしかみたことがないのでいつかみてみたいなあと思っています。麻の葉(大麻草)の切り込み部分は幾何学模様の三角形で上手に表されているのが麻の葉文様です。
「麻の葉」と「涼」という言葉が入るこの俳句と一緒に「涼」をみなさまにお届けしたくて、編集部と作戦会議をしました。
ふと上がった「子どもの浴衣のような彩り」。それでオレンジ、紫、ピンクという色合いが決まりました。子どもが夏祭りに来ていく浴衣の文様が麻の葉というイメージ。麻の葉文様の手まりはたくさんあるのですが、バランスを考えて、大きなもの、柄が細かいもの、びっしり糸を重ねていくものとバリエーション豊かに手まりをつくりました。
今月号の3つの麻の葉の手まりは3人の手で作りました。
大きな飴玉のような手まりちゃんも工夫を重ね、苦労をしながら仕上げました。おかげで、テマリシャスのレベルアップが実現したくらいの手まりちゃんでした。(見た目以上にかんなり時間掛かります!)
びっしり埋める麻の葉は10色も違う色が使用しており、配列にも一定のルールがあります。うっすらピンクの線で縁をとったらとってもはっきりと麻の葉文様が浮き上がりました。ここまで仕上げるまでドキドキしました。
小さな麻の葉手まりは、「手まりなんて無理よ!」「絶対続かないわよ!」と周りに言われながらも、手まりを始めて、今では手まりと一緒に寝ているというような手まりの生徒さんに愛らしい麻の葉を作ってもらいました。
夏祭りに仲良く浴衣で出かける子どもたちのように配置しています。
さて、もうすぐ夏休みシーズン。
夏休みに何をしますか?
わくわくしていますか?
疲れすぎている人はまず無理をせず、休んでくださいね。
皆さんにとって、かけがえのない夏になりますように!
贈り物の手まりとして「麻の葉」文様は大変人気です。
麻の葉の手まりは赤ちゃんのお誕生祝いや節句に、そして大人にももちろん、魔除けの意味でもお買い求めいただいております。手まりもご注文承っております。
こちらから→テマリシャス オンラインショップ
〈麻の葉〉の吉祥文様
日本では古代より、麻の糸や布が神事に用いられてきました。麻の葉文様には魔除けの意味があります。
〈麻の葉〉は、赤ちゃんの産着に使われる文様としてよく知られています。
高くまっすぐ育つ麻にあやかり、大地にしっかりと根を張り、丈夫ですくすく成長してほしい、という家族の願いです。
花嫁衣裳として正絹の白打掛を仕立てた時代には、それを赤ちゃんの産着へと作りかえ、麻の葉の文様を魔除けの背守りとして縫いつけた、と言われています。
子どもの成長を願う心からの祈りは、昔も今も変わらないもののひとつでしょう。
手まり文様の〈麻の葉〉は、美しいパターンを描きながら表面をひとめぐりして刺しはじめに戻ります。
点と点が繋がり、線となり、その線が重なり帯となる文様は人と人が繋がる、命が繋がる様を現しているかのようです。
【魔除け、無病息災】